わたしが持つ性格の中には、「考えすぎてしまう」という性質がある。
子供のころ~二十代後半くらいまではほとんどなかった性質で、三十代に入ったくらいからいきなり出てきた。
それは、そのころに大きく環境が変化したことと、あとは単に年を取って、それまでよりかはいくらか頭を使ってものを考えるということがやれるようになったせいかもしれない。
ポジティブなことを「考えすぎる」っていうことはあまりなくて、「考えすぎる」ときってほぼネガティブなことが頭の中で渦を巻いている。
しかも、まだ起こってもいない「こうなったら嫌な未来」を詳細に思い浮かべては、もしそれが本当に起きたらどうやって対処しよう…どんな気持ちでいたらいいだろう…だとか延々考えて、当然のことながら暗い気持ちになって、うなだれている。
それで、ついこの間もまさにそういうことを考えながら、歩いていた。いやだなあ、いやだなあと思いながら、スーパーからの帰り道、とぼとぼと。
そしたら突然思った。
「類は友を呼ぶ」ということわざがある。
わたしもそれは本当だと思う。波長の合うもの同士は、男女の別なく絶対に惹かれ合うようになっているし、特別な感情を持つまでには至らなくても、一緒にいて居心地の悪さを感じることはないと思う。
でもですよ、その理屈でいくと、この「まだ起こってもいない未来を、嫌悪したり怯えたりする気持ち」のところに、まさにわたしが嫌だと思っている未来が寄ってきちゃうんじゃないか。
だって類が友を呼ぶというなら、すでに頭の中が不安で一杯になっているわたしのところへ、未来では本当なら創造されなかったかもしれない「起こったら嫌なこと」がまさに現実となって、仲間見つけた! 友達だ! と思って、来てしまうのではないか、と考えたわけです。
「類は友を呼ぶ」が当てはまる世界が、もしも目に見える世界のことばかりでなかったとしたら?
そんなのは嫌だ、「起こってほしくないこと」を考えすぎているせいで、自ら起こってほしくないことを招くかもしれないような生き方は嫌だ、とわたしは思い、子供のころ「夜に口笛吹いたら白蛇くるよ」と言われて以来、夜に口笛を吹くのをやめたように、「悪いことばかり想像し続けていると、悪いことがあなたを見つけて仲間だと思ってやってくるよ」と自分に注意するという方法を試してみた。
すると、「考えすぎる」は少し治まった。
白蛇作戦成功。
このたった一回で、厄介な性質が消滅するわけじゃないだろうけど、自分が楽になるまで、何回でも、子供を躾ける親のように(想像)「友がきちゃうよ。悪いことばかり想像し続けていると、悪いことがあなたを見つけて仲間だと思ってやってくるよ」と自分に言い聞かせ続けようと思う。
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