「オデッセイ」を観ました。
原作の小説があって、そちらのタイトルは「THE MARTIAN」(邦訳は「火星の人」)。
宇宙飛行士が主人公の映画って、なんとなくみんな「アルマゲドン」みたいなこってりしたやつ(こってりが嫌いなわけじゃありませんが)かな? という偏見があったけれど、そういう意味ではこの映画は全然違っていて、なんかクールだった。
主人公の苦悩だの宇宙飛行士になるまでの道のりだの、彼を待つ家族の心境だのが全然描かれていないところが、この映画には合っていたんだなあと思った。
なんかカラっと明るい、さわやかさのある映画でした。
わたしが一番感傷的になったのは、宇宙も火星もまったく関係のない場面。
大国二国が、火星に置き去りにされた宇宙飛行士のピンチを救うために、協力することが分かったところ。
どの国も、自分の国を守りたいし、豊かに繁栄させたい気持ちがあるのは当然だと思うけれど、こんなふうに、「人間が人間を守る」というシンプルな目的のために、どうして現実の世界では協力し合えないのだろうと思ってしまった。
疑心暗鬼になって、何かっていうとけんかばっかりしてさ、と。こんなふうに「困ったときはお互いさま」みたいな行為ができる、成熟した世界になってほしいと思った。
それから、かさかさで、砂ばかりの火星の場面が長く続いたあとに見る、地球の美しさ、青さ、生い茂る緑の豊かさをあらためて大切に思った。
人間がどんな装置もなしに呼吸ができたり、作物を育てたりできる地球の環境って、やっぱりすごい偶然が重なった奇跡みたいな場所なんだなと思った。
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